こんにちは!雨夜龍馬(@amayaryoumablog)です。
第90回記念選抜高校野球大会がいよいよ明日(2018年3月23日)から開幕!
今回の記事では、高校野球ファンの間でささやかれている「明治神宮大会優勝校は選抜で優勝できない」というジンクスについて考えてみました。
過去の明治神宮優勝校と選抜の結果
まずは、過去20年間の明治神宮大会優勝校と選抜での成績を見ていきたいと思います。
2018:札幌大谷(2019選抜2回戦)
2017:明徳義塾(2018選抜3回戦)
2016:履正社(2017選抜準優勝)
2015:高松商(2016選抜準優勝)
2014:仙台育英(2015選抜2回戦)
2013:沖縄尚学(2014選抜ベスト8)
2012:仙台育英(2013選抜ベスト8)
2011:光星学院(2012選抜準優勝)
2010:日大三(2011選抜ベスト4)
2009:大垣日大(2010選抜ベスト4)
2008:慶應(2009選抜1回戦)
2007:常葉菊川(2008選抜3回戦)
2006:高知(2007選抜1回戦)
2005:駒大苫小牧(2006選抜不祥事により辞退)
2004:柳ヶ浦(2005選抜1回戦)
2003:愛工大名電(2004選抜準優勝)
2002:中京(2003選抜3回戦)
2001:報徳学園(2002選抜優勝)
2000:東福岡(2001選抜ベスト8)
1999:四日市工(2000選抜2回戦)
1998:日南学園(1999選抜ベスト8)
1997:横浜(1998選抜優勝)
1997年秋の明治神宮大会と1998年春の選抜で優勝したのは、皆さんもご存知の松坂世代の横浜高校です。
明治神宮大会優勝、春夏連覇、国体優勝を果たし、公式戦44勝無敗の圧巻の戦績で、高校野球史に残る伝説のチームですね!
2002年春の選抜の報徳学園は大谷智久(現千葉ロッテ)が全試合完投しての優勝でしたが、明治神宮大会では大谷を温存して優勝した総合力の高いチームでした。
近年では、2016年の高松商、2017年の履正社が選抜で準優勝と、優勝まであと1歩の活躍を見せているものの、16年間ジンクスは破られていません。
このジンクスについて、3つの視点から考察していきたいと思います。
1.球場の違い
私が最初に注目したのは、それぞれの大会で使用される球場の違いです。
明治神宮球場は内外野の大部分が人工芝、甲子園球場は内野は黒土、外野は天然芝の球場です。
2017年は、プロ野球、アマチュア野球、一般貸出などを合わせると、450試合以上が行われ、300万人近くのお客様にご来場いただきました!球場に足を運んでくださった皆様、公式ツイッターをご覧いただいだ皆様、誠にありがとうございました!#神宮球場 pic.twitter.com/H4YijoJBu3
— 明治神宮野球場(公式) (@jingu_stadiumpr) 2017年12月28日
【甲子園球場"中の人"に密着!】PM10時。本日の業務終了です!高校野球の時にこの密着企画をして、皆様からのコメントを頂きファン感謝デーでプロ野球verを行うことができました!皆様、本当にありがとうございます!今後とも甲子園球場SNSをよろしくお願いします!#甲子園 pic.twitter.com/yRO4qJ7fNy
— 【公式】阪神甲子園球場 (@enjoy_koshien) 2017年11月25日
人工芝の球場は下がコンクリートとなっているため、天然芝の球場に比べて衝撃が吸収されにくくなっています。
明治神宮大会では、外野手がバウンドの目測を誤るシーンを時おり見かけます。
また、内野の芝と土の境目でバウンドが変わる点も内野手が苦労する要素となっています。
高校野球では天然芝の球場で試合が行われることが多いため、人工芝への対応は明治神宮大会での重要なキーポイントと言えるでしょう。
2012年秋と2014年秋の明治神宮大会を制した仙台育英高校は人工芝の専用球場を持っていて、守備の面でのアドバンテージが優勝の一因になったと考えられます。
一方、甲子園球場では、阪神園芸によって整備されているとはいえ、内野全面が土となっているためにイレギュラーバウンドが発生しやすいです。
特に甲子園大会では1日に3~4試合進行することが多いため、プロ野球の試合時に比べるとグラウンド整備にかけられる時間も短くなっています。
さらに、神宮球場は都内に立地していて気候も比較的穏やかですが、甲子園球場は海が近いため独特の浜風が存在します。この浜風が打球に与える影響は非常に大きく、落下点の予測を難しくさせます。
こういったイレギュラーバウンドや風による守備への影響は、いわゆる甲子園の魔物として恐れられ、数々のドラマを生み出しています。
明治神宮球場のGoogleマップ
阪神甲子園球場のGoogleマップ
また、球場の違いや風の影響は守備面だけでなく、攻撃面にも影響します。
甲子園球場の風による影響はその日にもよりますが、ライトからレフトへ吹いている通常の「浜風」と呼ばれる風向きの日はライト方向の打球が失速し、レフト方向の打球が伸びる傾向があります。
そのため、甲子園球場のライト方向にはホームランが入りにくい傾向があります。
※風向きや風の強さはバックスクリーン後方の旗で確認するといいでしょう。
一方、神宮球場はフェンスが低いためライナー性の当たりでも、比較的ホームランが入りやすい球場です。
明治神宮球場と甲子園球場の球場の違いは、試合の勝敗や優勝校の行方に影響があると考えます。
2.続けて勝つことの難しさ
高校野球は白熱する試合が多く、地区大会を勝ち抜いて全国に出場するチームはどの高校もレベルが高いです。
一発勝負のトーナメントを連続して優勝するのはやはり大変なことだと思います。
また、投手と打者は初対戦の方が投手有利となるため、明治神宮大会優勝校の投手は有力校と対戦したことで球筋などを見られてしまう点や、秋に全国優勝したためにマークされて分析されるという点が、明治神宮大会優勝校にとって選抜で不利になる要素だと考えます。
3.高校生の成長
3つ目は高校生の成長です。秋の大会が終わった後は対外試合禁止期間となり、冬の間
は練習を積んで翌年の春を迎えます。
成長期である高校生。短期間で劇的に実力を伸ばしてくる選手も現れてきます。
秋と春ではチーム力や勢力図も変わってきて、続けて優勝することが難しくなってくる要因の1つとなっていると考えます。
秋→春→夏と、高校生の成長をチェックするのもまた高校野球の大きな魅力の1つだと思います。
明日から開幕する第90回記念選抜高校野球大会では、どのようなプレーが見られるのか?熱い戦いが楽しみですね!
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